当社は大正10年1月10日に初代 岩田藤治郎が京都市上京区にて岩田商店を個人営業として創業しました。創業当時より独創性豊かなデザインの創作力により、西陣の帯地メーカーからは常に注目を集める存在でした。業況は次第に拡大しましたが、第二次世界大戦の勃発により、絹織物の商いが出来なくなり戦時中は一時中断せざるを得ない時代がありました。
しかし戦争の終了とともに業務を再開し、昭和24年(1949年)には法人として株式会社岩田商店を設立しました。翌昭和25年には東京店を設立し、関東の市場へ進出を果たしました。
創業当時よりオリジナル性と、妥協の無い商品作りを目指したことによりやがて「帯の岩田」のブランドのもとに帯地を創作し、商う社風が定着し業界はもとより和装の愛好者の中で「岩田」の帯として絶大な信頼を得るようになりました。
「岩田」の帯の評判が高まるに連れ、その販売地域は全国の高級品を専門に扱う呉服店や百貨店に広がり、皇族方をはじめとして日本の社交界に多くのご愛用者が生まれております。昭和48年(1973年)にはオイルショックの経済的混乱の中でありましたが現在の地に6階建ての社屋を建設し、今日の基盤を築きました。

   
  当社はその創業時より一貫して京都・西陣の帯地を専門に扱っております。
平安京の時代から始まる京都の染織技術は、幾多の時代の困難を乗り越え産業としての織の技術は世界最高の水準であります。
その優れた織り技術を土台に岩田の帯は、「きもの」との調和を考え日本の歴史の中で生まれ、競い、洗練されてきた、伝統的な文様の素晴らしさを大切にした色柄を中心軸として、時代のセンスを加味したお洒落な柄風を特徴としています。
西陣の織物を大切にする社風は、常に織り元の企業、織り職人の心意気を大切にし、いつの時代にも風化しない美しさを提案し、信頼のある商品創作しています。
当社の顧客は全国の百貨店を始め、各地を代表する専門呉服店であり、地域の特色を生かした商品作りも好評を得ております。
 
   
  当社がその拠点を構える京都・室町はまた祇園八坂神社の氏子の地であり、京都の夏を彩る祇園祭の地であります。祇園祭の鈴鹿山の鉾町に所在する当社は地域への奉仕として毎年積極的に祭りへの参加と協力を行っております。
織物を生業とする人々が作り上げた祭りであることから、祇園祭には歴史に残る優れた織り物が所蔵され披露されています。